当院での検査・治療
アレルギー性鼻炎は治療の選択肢が増えてきており、原因物質を特定することは治療の選択肢を広げるうえで重要です。
当院では症状に応じて血液検査でアレルギーの原因を調べています。症状の出やすい季節や生活環境により、検査する項目を決定しています。
治療は抗アレルギー薬の内服や点鼻に加えて、スギ花粉にアレルギーがある方は舌下免疫療法も可能ですのでお気軽にご相談ください。
アレルギー性鼻炎の症状
くしゃみ・鼻水・鼻づまりや目のかゆみなどが代表的な症状となります。
お子さまの場合は、鼻づまりが続いて口呼吸になり、かぜをひきやすくなることでさらに鼻炎がなおりにくくなってしまう悪循環になってしまっていることがあります。
検査と簡単な説明
一般的な静脈採血による血液検査を行い、7-8項目を検査することが多いですが適宜追加もできます。
一週間後に結果を説明します。
アレルギー性鼻炎・花粉症の検査
当院では樹木や雑草の花粉・ダニ・ハウスダスト・動物(イヌやネコ)を中心にアレルギー検査を行っています。
また、バラ科のリンゴ、モモ、サクランボ、ウリ科のメロン、スイカを食べたときに唇やのどがイガイガするような方は、ハンノキ・シラカバ・ブタクサなどの花粉のアレルギーをもっている場合が多いことが知られています。気になる方はお気軽にご相談下さい。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲン(スギ花粉の抽出物など)を少量ずつ内服することから始め、量をゆっくり増やしながら身体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげていく治療法です。
もともとは皮下免疫療法という注射でおこなっていた治療ですが、注射や通院のわずらわしさがありました。より安全に行える方法として舌下免疫療法が確立し、自宅で治療ができるようになりました。
自宅でできるので手軽ですが、副反応もあり、服用方法の知識も必要なので、しっかりと理解を深めてからスタートする必要があります。開始する時期も限られるので、興味がある方は一度ご相談下さい。
舌下免疫療法のメリット
舌下免疫療法は、アレルギー症状を根本から改善する可能性のある治療方法です。
ヨーロッパでは60年以上も前から取り入れられている方法で、今やアレルギー治療の50%以上を占めている主流の治療方法となります。日本でも小児まで健康保険が適用されたので、スギ花粉症の治療方法として普及が進んでいます。
メリット
- 定期的に薬をもらうだけなので、自宅で治療をすることができる
- 健康保険が適用できるため、治療負担が軽減される
- 注射による痛みや煩わしさがない
- 体調が少し悪くても治療を継続することができる
- 花粉症のシーズン前から治療を開始することができる
デメリット
- 花粉のシーズンが終わっても毎日内服が必要
- 毎月通院が必要で治療も年単位になる
- 副反応がおこることがある
- 中には効果がみられない方もいる
期待できる効果とは
- 慢性的なくしゃみ・鼻づまり・鼻水の改善
- 目のかゆみの改善
- 花粉症治療薬の減量
副反応(副作用)
- 口の中のかゆみ・腫れ・のどの違和感
- 口内炎
- くしゃみ・鼻水・せき
- 皮膚のかゆみ
- 胃腸症状
- アナフィラキシー ※非常に稀ではあります
- 舌下免疫療法の副反応について
アナフィラキシー
全身性の強いアレルギー反応により、短時間に蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる状態
舌下免疫療法が受けられる方
- 検査でスギ花粉(またはダニ)アレルギーと診断されている方
- 毎月継続的な通院ができる方
- 毎日服用できる方(症状がなくても毎日服用が必要)
- 8歳以上(目安)
- 小児では成人より副反応が現れやすく、ご本人・ご両親が十分納得してから始めることが必要です
舌下免疫療法が受けられない方
- どのようなアレルギーをもっているかわからない方
- 妊娠中の方
- 重症な喘息をもっている方
- 癌や自己免疫疾患の治療中の方
- 心臓病の治療をうけている方
- 長期にわたりステロイドの治療をしている方
- 過去に舌下免疫療法をおこない副作用が出た方(要相談)
舌下免疫療法の薬の飲み方
舌の下に薬を置き、約1分したら飲み込みます。
これを自宅で毎日、一日一回行います。
1年目で効果が現れることもありますが、3年以上の継続が推奨されています。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)の治療の流れ
1.診察 | ・アレルギー検査と治療の説明 ・後日検査結果説明と初回投与日の予約 ※過去に検査したことがある方は、検査結果をお持ちください。 ※他院で舌下免疫療法の治療歴がある方は、お薬手帳をお持ちください。 ※アシテアは処方できますが、初回治療はシダキュア・ミティキュアのみです。 |
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2.初回投与 | ・当日の体調を確認し、投与開始できるか判断 ・薬の処方 ・院内で初回投与 ・副作用の有無を確認するため、院内で30分後に再診察 ・副作用がなければ、次回の診察予約 |
3.再診 | ・初回投与1~2週間後に再度診察 ※副作用がなければ徐々に薬の量を増やしていきます。 ・問題がなければ一定の量にし、以後通院は1ヶ月に1回となります。 |